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集合体だがσ集合体でないもの

この記事は反例 Advent Calendar 2018 - Adventarの6日目の記事です.

集合体ではあるがσ集合体でない例を示します. これは完備でないブール代数の例でもあります. ブール代数や完備ブール代数の定義はこの記事この記事を参照してください.

例1 位相空間の開かつ閉集合全体は集合体です.一方,無限個の開集合の共通部分は開集合とは限らないので,一般にはσ集合体ではありません. 実際,次のように開かつ閉集合全体がσ集合体にならない位相を考えることができます.

 \{0,1\}に離散位相を入れたものの直積空間 \{0,1\} ^\mathbb{N}を考える.  \{0\} \times \{0\}\times \cdots \times \{0\} \times \{0,1\} \times \cdots は開かつ閉集合である.  \{0 \} \times \{0\} \times \cdots はこれらの無限個の共通部分として得られるが,これは開集合でない.

例2 任意の集合Xについて, Xの有限または補有限な部分集合全体は集合体です. しかし, Xが無限集合であれば, \sigma集合体ではありません.

位相空間のコンパクト性の同値命題

自分向けのメモ

定理:位相空間がコンパクト \Leftrightarrow 有限交叉性を持つ閉集合族が共通部分を持つ.

[証明]

 (\Rightarrow)  X位相空間として, \mathscr{F}閉集合族とする.  \bigcap \mathscr{F} = \varnothingと仮定すると \bigcup_{F \in \mathscr{F}} F^c = X Xはコンパクトなので,有限個の F_1 ,\ldots , F_n \in \mathscr{F}により  F_1^c \cup \cdots \cup  F_n^c = Xとなる. このとき F_1  \cap \cdots \cap F_n = \varnothingなので, \mathscr{F}は有限交叉性を持たない.

 (\Leftarrow)  \mathscr{U} Xの開集合族として,その任意の有限部分が Xを被覆しないとする. このとき, \{ U^c : U \in \mathscr{U} \} は有限交叉性を持つ閉集合族なので,共通部分を持つ. したがって, \mathscr{U} Xを被覆しない. q.e.d.

Boole代数雑記

自分あてのメモ

定理:Boole代数が無限であることと非単項超フィルターを持つことは同値

まず,以下の補題を示す.

補題1:atomic無限Boole代数のatomは無限に存在する

[証明] atomic Boole代数についてatomが有限であると仮定する. このとき,各 b \in Bは, A_b =\{ a \leq b : a \text{ is an atom } \}とすると  b = \Sigma A_bを満たす.なぜなら, b > \Sigma A_bとすると, b- \Sigma A_b > 0より  b - \Sigma A_b  \geq aなるatomが取れるからである.このとき a \not \in A_bかつ a \leq bとなり矛盾. したがって b \mapsto A_bという対応は単射なので, Bの濃度はatom全体の集合を Aとしたとき, \mathcal{P}(A)の濃度以下である. q.e.d.

[定理の証明]  Bを有限とし, FBの超フィルターとする.  Fは有限のフィルターなので \Pi F \in Fであり, F \Pi Fにより生成される. すなわち,F は単項フィルター .

 Bが無限であるとする.

 Bがatomicであるとする.このとき, A Batom全体として, -A = \{ -a : a \in A \}とする.  -Aが有限交叉性を持つことを示す.  (-a_1) \cdots (-a_n) = -(a_1 + \cdots + a_n) =0とすると,  a_1 + \cdots + a_n=1となる. このとき,補題から a_1 , \ldots, a_nと異なるatom  aをとることができるが,  a = 1a = (a_1 + \cdots + a_n)a =0となり矛盾. したがって, -Aは超フィルターへと拡大できるが,このフィルターはatomを含まないので単項でない.

また, Bがatomicでないとすると,ある xについて, a \leq xなるatomは存在しない. このとき, xから生成されるフィルターを拡大して得られる超フィルター Fは非単項である. なぜなら, Fatom  aにより生成されるとすると a \leq xとなり矛盾するからである. q.e.d.